和雑貨翠さんとのジョイント第2弾で開催した、
2013年のイベント「おでかけ日和・お家時間」展。
翠さんとおつきあいのある4人の作家さんの作品で構成しました。
それが「加藤キナ」さんとの最初の出会いです。
「加藤キナ」は、革作家のご夫婦のユニット名。
バッグを主体に、財布、名刺入れ、コサージュなどを製作しています。
近年は、日本に生息する野生の鹿革と鹿の角を使用。
増えすぎて駆除され、放棄される鹿たちの生きた証をカタチにしています。
自然環境に配慮して鞣された革は、ふっくらと柔らかな触り心地です。
一針ひとはり時間をかけた手縫いでの仕立、
角を素材に彫刻刀で手彫りされた精緻な細工、
丁寧に作られた作品は、長く長く使っていきたいと思わせます。
鹿の森のコサージュ<キャンドルレザー>
野生の鹿革を使いはじめた当初、鹿たちが生息する森での捕獲に同行させてもらったキナさん。命が消えていく現場を目の当たりにしました。小さな鹿の切れ端も大切に使いたいと、「鹿の森 Le bois des cerfs 」そうフランス語で名付け、鹿の住む森に咲いていた花々をモチーフに作りはじめたのが、コサージュです。
硬化剤ではなく蝋での仕上げーキャンドルレザー、標本箱を模したパッケージ。
<その傷は、美しい白樺の木がつけたものかもしれない。
形の中にかくされた鹿の物語に耳を傾けてください・・>
作品に添えられるカードに記されたこの言葉に、キナさんの深い思いが込められています。
コサージュは、箱根のポーラ美術館のミュージアムショップに常設。その時々の開催展覧会にちなんだテーマで新作を製作しています。詳細はFacebookでご覧ください。